○小城市環境基本条例
平成21年12月21日
条例第39号
(目的)
第1条 この条例は、人と自然が共生する快適な環境の保全及び創造(以下「環境の保全等」という。)について基本理念を定め、市、市民、市民団体及び事業者の役割を明らかにするとともに、環境の保全に関する施策の基本となる事項を定めることにより、環境の保全等に関する施策を総合的かつ計画的に推進し、もって現在及び将来の市民の健康で文化的な生活の確保に寄与することを目的とする。
(定義)
第2条 この条例において「環境への負荷」とは、人の活動により環境に加えられる影響であって、環境の保全等上の支障の原因となるおそれのあるものをいう。
2 この条例において「地球環境の保全」とは、人の活動による地球全体の温暖化又はオゾン層破壊の進行、海洋の汚染、野生生物の種の減少その他の地球の全体又はその広範な部分の環境に影響を及ぼす事態に係る環境の保全であって、人類の福祉に貢献するとともに市民の健康で文化的な生活の確保に寄与するものをいう。
(基本理念)
第3条 人と自然が共生する快適なまちの創造は、次に掲げる事項を基本理念として行うものとする。
(1) 市、市民、市民団体及び事業者が自らの活動と環境のかかわりを認識し、環境にやさしい身近な行動を心がけ、皆の参加のもと持続的に発展することができる循環型地域社会を構築すること。
(2) 多様な生物が生息できる生態系及び自然環境が、広域的な広がりの中で守り育てられるとともに、身近な自然及び生物を大切にする心を養い、自然とのふれあいを深め、自然の生態系バランスを保ちながら、人と自然との共生が図られること。
(3) 天山から有明海までの豊かな自然環境を、さらに皆でよりよくしていこうとする地域の連帯感を育むこと。
(4) 地球環境の保全に関して、個々の環境への負荷の集積が現在の地球環境問題を引き起こしているということを踏まえ、常に小城市民であるとともに、地球市民であるという意識を持って環境にやさしい行動を実践すること。
(市の役割)
第4条 市は、前条に規定する基本理念(以下「基本理念」という。)にのっとり、環境の保全等に関する基本的かつ総合的な施策を策定し、及び実施するものとする。
2 市は、市民、市民団体及び事業者(以下「市民等」という。)と協働し、環境保全活動に努めるものとする。
(市民の役割)
第5条 市民は、基本理念にのっとり、住みよい生活環境を築くため、自らの行動によって、日常生活において、資源及びエネルギーの使用並びに廃棄物の排出等による環境への負荷の低減に努めるものとする。
2 前項に定めるもののほか、市民は、市、市民団体及び事業者と協働し、環境保全活動に努めるものとする。
(市民団体の役割)
第6条 市民団体は、基本理念にのっとり、市民の先導的な役割を担うべく市民が参画できる体制の整備、情報の提供及び活動機会の充実等を図り、環境保全活動を積極的に推進するものとする。
2 前項に定めるもののほか、市民団体は、市、市民及び事業者と協働し、環境保全活動に努めるものとする。
(事業者の役割)
第7条 事業者は、基本理念にのっとり、自らの責任と負担において、その事業活動に伴う環境への負荷の低減その他の環境の保全等に努めるものとする。
2 事業者は、その事業活動に伴って生ずる公害を防止するための必要な措置を講ずるとともに、積極的に市が実施する環境の保全等に関する施策に協力するものとする。
3 事業者は、環境の保全等に支障を及ぼす行為に係る紛争が生じたときは、誠意をもってその解決に当たるものとする。
4 事業者は、資源及びエネルギーの有効利用、廃棄物の発生抑制等により、環境への負荷を低減するものとする。
5 事業者は、その事業活動に係る製品その他の物が廃棄物となった場合に、適正に循環的な利用が促進されるよう必要な措置を講ずるものとする。
6 前各項に定めるもののほか、事業者は、市、市民及び市民団体と協働し、環境保全活動に努めるものとする。
(施策の策定等に係る基本方針)
第8条 市は、基本理念にのっとり、次に掲げる事項を基本方針として、環境の保全等に関する施策を策定し、及び実施するものとする。
(1) すぐれた自然環境と多様性豊かな生態系の保全
(2) 清くさわやかな生活環境の確保
(3) 家庭から始める地球環境保全行動の推進
(4) 歴史・文化と共生する快適な住環境の創造
(5) 環境を守り活かす地域づくりの推進
(環境基本計画)
第9条 市長は、環境の保全等に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るため、環境の保全等に関する基本的な計画(以下「環境基本計画」という。)を定めるものとする。
2 環境基本計画は、小城市基本構想(小城市における総合的かつ計画的な行政の運営を図るための基本構想をいう。)に即し、次に掲げる事項について定めるものとする。
(1) 環境の保全等に関する総合的かつ長期的な目標及び施策内容
(2) 前号に掲げるもののほか、環境の保全等に関する施策を総合的かつ計画的に推進するために必要な事項
3 市長は、環境基本計画を定めるに当たっては、小城市環境審議会の意見を聴くものとする。
4 市長は、環境基本計画を定めたときは、速やかにこれを公表するものとする。
5 前2項の規定は、環境基本計画の変更についても準用する。
(環境基本計画との整合性)
第10条 市長は、市の施策を定め、又は実施するに当たっては、環境基本計画との整合を図るよう努めるものとする。
2 市は、環境基本計画の実施に当たっては、その効果的な推進及び総合的な調整を行うために必要な措置を講ずるものとする。
(年次報告書の作成)
第11条 市長は、毎年、環境の状況、市が環境の保全に関して講じた施策の結果等を明らかにした報告書を作成し、これを公表するものとする。
(開発事業等に係る環境への配慮)
第12条 市は、土地の形状の変更、工作物の新設その他これらに類する事業を行う事業者の策定する計画が、環境に適正に配慮されたものとなるよう必要な措置を講ずるものとする。
(廃棄物の減量及び資源化の促進)
第13条 市は、循環型地域社会の構築を図るため、廃棄物の減量及び資源化が促進されるよう必要な措置を講ずるものとする。
2 市は、環境への負荷の低減を図るため、市の施設の建設及び維持管理に当たっては、資源及びエネルギーの有効利用並びに廃棄物の減量が促進されるよう必要な措置を講ずるものとする。
(環境の保全上の助言等)
第14条 市長は、環境の保全上の支障の防止のための必要な助言、指導又は勧告(以下「助言等」という。)を行うことができる。
2 市長は、助言等を行ったときは、関係者に対し必要な報告を求めることができる。
(市民等の活動への支援)
第15条 市は、市民等が行う環境への負荷の低減その他の環境の保全に資する活動が促進されるよう必要な支援の措置を講ずるものとする。
(地球温暖化対策の推進)
第16条 市は、地球環境の保全において、特に地球温暖化が地球全体の環境に深刻な影響を及ぼすものとの認識のもと、市民等と協働して地球温暖化対策に関する施策を推進するものとする。
2 前項の場合において、市は、自ら率先して温室効果ガスの排出の抑制に努めるものとする。
(環境教育及び環境学習の推進)
第17条 市は、環境教育及び環境学習の充実を図るため、次に掲げる事項を総合的かつ計画的に実施するものとする。
(1) 学校教育における環境教育の推進のための施策
(2) 環境の保全等に関する生涯学習の支援のための施策及び広報啓発活動
(3) 前2号に掲げるもののほか、環境教育及び環境学習の推進のために必要な施策
2 市民及び市民団体は、環境の保全等のために環境教育及び環境学習が重要な役割を果たすことを認識し、環境に配慮した活動を自ら実践できるよう環境教育及び環境学習に主体的に取り組むものとする。
3 事業者は、環境の保全等のために環境教育及び環境学習が重要な役割を果たすことを認識し、環境教育及び環境学習を通じて事業所の従業員の環境への意識を高めるよう努めるものとする。
(市民等の自発的な活動の促進)
第18条 市は、市民等が自発的に行う緑化活動、再生資源に係る回収活動その他環境の保全等に関する活動を促進するため、必要な措置を講ずるものとする。
(環境情報の収集及び提供)
第19条 市は、環境の保全等に役立つ情報の収集に努めるとともに、個人及び法人の権利利益の保護に配慮しつつ、第17条に規定する環境教育及び環境学習の推進並びに市民等の自発的な活動の促進に必要な情報を適切に提供するよう努めるものとする。
(環境審議会)
第20条 市は、環境基本法(平成5年法律第91号)第44条の規定に基づき、小城市環境審議会(以下「審議会」という。)を置くものとする。
2 審議会は、次に掲げる事項を調査審議する。
(1) 環境基本計画に関すること。
(2) 前号に掲げるもののほか、環境の保全等に関する基本的事項
3 審議会は、委員10人以内で組織する。
4 委員は、次に掲げる者のうちから市長が委嘱する。
(1) 市民から公募した者
(2) 学識経験を有する者
(3) 前2号に掲げるもののほか、市長が必要と認める者
5 審議会の組織及び運営に関し必要な事項は、別に定める。
(調査等の実施)
第21条 市は、環境の保全等に関する施策を策定し、適正に実施するため、環境の状況を把握するとともに必要な調査及び研究を行うものとする。
(監視等の体制)
第22条 市は、各関係機関相互の緊密な連携及び施策の調整を図り、環境の保全等に関する施策を総合的かつ計画的に推進するための体制を整備するものとする。
2 市は、市民等と協力し、環境の保全等に関する施策を効果的に推進するための体制を整備するものとする。
3 市は、環境の保全等に関する施策を実効性のあるものとするため、環境に係る監視、測定及び検査の体制を整備するものとする。
(委任)
第23条 この条例に定めるもののほか必要な事項は、市長が別に定める。
附則
(施行期日)
1 この条例は、平成22年4月1日から施行する。
附則(平成24年3月21日条例第5号)
この条例は、公布の日から施行する。