○小城市議会基本条例
平成24年9月24日
条例第18号
目次
前文
第1章 総則(第1条―第2条)
第2章 議会及び議員の活動原則(第3条―第4条)
第3章 市民との関係(第5条―第7条)
第4章 市長等との関係(第8条―第11条)
第5章 自由討議の保障(第12条)
第6章 議会の機能の強化(第13条―第19条)
第7章 政治倫理(第20条)
第8章 見直し手続(第21条)
前文
近年、国から地方への権限移譲が進み、地方自治体の自己決定権の拡大が進むなかで、地域の自主・自律のため、これまで以上に地方議会が果たすべき役割及び責務が大きくなっている。二元代表制の一翼を担う議事機関としての議会は、政策立案、行政の監視、そして情報公開で分かりやすい議会をつくるなど、責任ある議会活動が求められている。
小城市議会は、市民の直接選挙によって選ばれた議員で構成する市の最高の意思決定機関であり、市民の負託にこたえる責務を有している。
このため、議会は、議会運営委員会、議会改革検討委員会等における協議により、議会の活性化を図るためにさまざまな改革を重ねてきたところである。
議会は、今後も議会の活性化を積極的に推進し、市政に対する市民の意思の反映に全力を尽くすことを決意し、ここに、議会の基本理念、議員の責務及び活動原則、議会運営の原則、議会と市民及び市長その他の執行機関(以下「市長等」という。)との関係等に関する基本的事項を明らかにし、議会の最高規範としてこの条例を制定する。
第1章 総則
(目的)
第1条 この条例は、議会、議員及び議長の活動原則を明らかにするとともに、議会と市民及び市長等との関係並びに議会に関する基本的事項を定めることにより、地方自治の本旨に基づく市民の負託に的確にこたえ、もって市民福祉の向上及び市政の発展に寄与することを目的とする。
第2章 議会及び議員の活動原則
(議会の活動原則)
第3条 議会は、市民を代表する機関であることを常に自覚するとともに、公正性、透明性及び信頼性を確保し、市民に開かれた議会を目指して活動するものとする。
2 議会は、市の施策に対する意思決定を行う議決機関であることをふまえ、適切な判断と責任ある活動を行わなければならない。
(議員の活動原則)
第4条 議員は、議会が言論の府であること及び合議制の機関であることを認識し、積極的な議論に努めるものとする。
2 議員は、市政全般の課題及び市民の多様な意思を的確に把握し、市民の代表としてふさわしい活動を行うものとする。
3 議員は、日常の調査及び研修活動を通じて、自らの資質の向上に努めるものとする。
第3章 市民との関係
(市民との関係の基本原則)
第5条 議会は、議会の活動に関する情報公開を徹底するとともに、市民に対する説明責任を十分に果たさなければならない。
2 議会は、本会議のほか、常任委員会、特別委員会を原則公開する。
3 議会は、委員会の運営に当たり、関係する法令等を十分に活用して、専門的又は政策的識見等を議会の討議に反映させるよう努めるものとする。
4 議会は、議会及び議員の政策能力を強化するとともに、政策提案の拡大を図るために、議員の全部又は一部と市民等との意見交換の場を設けることができる。
(議会広報の充実)
第6条 議会は、議会独自の視点から、多様な広報手段を活用することにより、多くの市民が議会と市政に関心を持つよう市政に係る情報の広報に努めるものとする。
(議会報告会)
第7条 議会は、議会報告会を必要に応じ行うものとする。
第4章 市長等との関係
(市長等との関係の基本原則)
第8条 議会は、市長との立場及び権能の違いを踏まえ、市長等と常に緊張ある関係を構築し、事務の執行の監視及び評価を行うとともに、政策立案及び市長等への政策提言を通じて、市政の発展に取り組まなければならない。
2 議会の本会議における議員と市長等及び執行機関の職員の質疑応答は、広く市政上の論点、争点を明確にするため、一問一答の方式で行う。
3 市長等の職員は、本会議、常任委員会、議会運営委員会及び特別委員会において、議長又は委員長の許可を得て、質問することができる。
(市長等による政策等の形成過程の説明)
第9条 議会は、市長等が提案する計画、政策、施策、事業等(以下「政策等」という。)について、政策等の水準を高めるため、次に掲げる事項の説明を求めるものとする。
(1) 提案する理由
(2) 提案に至るまでの経緯
(3) 総合計画における根拠又は位置付け
(4) 関係する法令及び条例等
(5) 実施にかかわる財源措置
(6) 将来負担すべき経費
(7) 政策等の効果
2 議会は、政策等を審議するに当たっては、それらの政策等の水準を高める観点から、立案及び執行における論点及び争点を明らかにするとともに、執行後における政策評価に資する審議に努めるものとする。
(予算及び決算の審議における政策説明)
第10条 議会は、予算及び決算の審議に当たっては、前条の規定に準じて、わかりやすい施策別又は事業別の説明を市長等に求めるものとする。
(市政に係る重要な計画の説明等)
第11条 議会は、市長等が各行政分野における基本的な計画の策定、変更等をするために計画の概要を公表し、又は広く市民等から意見等を募集するときは、あらかじめ、市長等にその理由及び概要の説明を求めるものとする。
第5章 自由討議の保障
(議員間の討議)
第12条 議会は、本会議等において、議案の審議及び審査に当たり、結論を出す場合にあっては、合意形成に向けて議員相互間の議論を尽くすよう努めるものとする。
第6章 議会の機能の強化
(会派)
第13条 議員は、議会活動を行うため、会派を結成することができる。
2 会派は、政策立案、政策決定、政策提言等に関し、会派間で調整を行い、合意形成に努めるものとする。
(議会改革の推進)
第14条 議会は、議会改革に継続的に取り組むため、議員で構成する議会改革推進検討会等を設置する。
(専門的事項に関する調査)
第15条 議会は、議案の審査又は市の事務に関する調査のために必要な専門的事項に係る調査に当たり、学識経験を有する者等を積極的に活用するものとする。
(議員研修の充実強化)
第16条 議会は、議員の政策形成及び立案能力の向上等を図るため、議員研修の充実強化を図るものとする。
(議会図書室の充実)
第17条 議会は、議員の調査研究に資するため、議会図書室の充実に努めるものとする。
(議会事務局の体制整備)
第18条 議会は、議会及び議員の政策形成及び政策立案機能の支援体制を強化するため、議会事務局の調査及び法制機能の充実を図るものとする。
(予算の確保)
第19条 議会は、二元代表制の趣旨を踏まえ、議事機関としての機能を確保するとともに、より円滑な議会運営を実現するために、必要な予算の確保に努めるものとする。
第7章 政治倫理
(政治倫理)
第20条 議員は、高い倫理的義務が課せられていることを自覚し、市民の代表として良心と責任感を持って、議員の品位を保持し、識見を養うよう努めなければならない。
第8章 見直し手続
(見直し手続)
第21条 議会は、この条例の目的が達成されているかどうかを定期的に検証するものとする。
2 議会は、この条例の施行後、常に市民の意見、社会情勢の変化等を勘案し、必要があると認めるときは、所要の措置を講ずるものとする。
附則
この条例は、平成24年10月1日から施行する。
附則(平成27年3月23日条例第27号)
この条例は、平成27年4月1日から施行する。