○小城市中高層建築物等の建築に係る紛争の予防と調整に関する条例
平成25年12月20日
条例第24号
(目的)
第1条 この条例は、中高層建築物等の建築に関し建築主等が配慮すべき事項を定めることにより、建築に伴う紛争の予防及び調整を図り、良好な近隣関係を保持し、もって地域における健全な居住環境の維持及び向上に資することを目的とする。
(定義)
第2条 この条例において使用する用語は、建築基準法(昭和25年法律第201号。以下「法」という。)及び建築基準法施行令(昭和25年政令第338号)において使用する用語の例による。
(1) 中高層建築物等 次に掲げる建築物等をいう。
ア 高さが15メートルを超える建築物又は地階を除く階数が4以上の建築物
イ 高さが15メートルを超える携帯電話の電波塔
(2) 建築主等 中高層建築物等の建築主、設計者、工事監理者及び工事施工者をいう。
(3) 近隣住民 次に掲げる範囲内にある建築物(その敷地の一部が当該範囲内にあるものを含む。)の所有者、管理者又は居住者及び土地の所有者又は管理者(その土地に建築物が存しない場合に限る。)をいう。
ア 第1号アに規定する建築物の敷地境界線からの水平距離が当該建築物の高さに相当する距離の範囲(真北方向にあっては、当該建築物の高さの1.5倍に相当する距離の範囲)
イ 第1号イに規定する電波塔の敷地境界線からの水平距離が当該建築物の高さの1.5倍に相当する距離の範囲
(4) 周辺住民 次に掲げる者(近隣住民を除く。)をいう。
ア 中高層建築物等の建築によりテレビジョン放送の電波の受信障害が著しく生じると予測される者
イ 中高層建築物等の建築により居住環境に影響を受ける者であって、市長が必要と認めるもの
(5) 近隣関係住民 近隣住民及び周辺住民をいう。
(6) 紛争 中高層建築物等の建築が居住環境に及ぼす影響に関する建築主等と近隣関係住民(以下「紛争当事者」という。)との間の紛争をいう。
(適用除外)
第3条 この条例は、次に掲げる中高層建築物等については適用しない。
(1) 法第18条第3項の規定による確認済証を受けて建築するもの
(2) 法第85条の規定の適用を受ける仮設建築物
(3) 敷地及び周囲の状況等により、紛争が生じるおそれがないと市長が認めるもの
(市長の責務)
第4条 市長は、紛争を未然に防止するように努めるとともに、建築主等と近隣関係住民との間に紛争が生じたときは、その解決に努めるものとする。
(建築主等の責務)
第5条 建築主等は、紛争を未然に防止するため、中高層建築物等の建築を計画するに当たっては、周辺の居住環境に及ぼす影響に十分配慮するとともに、良好な近隣関係を損なわないよう努めなければならない。
(紛争当事者の責務)
第6条 紛争当事者は、紛争が生じたときは、相互の立場を尊重し、自主的に解決するよう努めなければならない。
(標識の設置及び報告)
第7条 中高層建築物等の建築主は、中高層建築物等を建築しようとするときは、近隣関係住民にその建築に係る計画(以下「建築計画」という。)の周知を図るため、規則で定めるところにより、当該建築計画の概要を記載した標識を当該中高層建築物等を建築しようとする敷地内の見やすい場所に設置し、建築計画を事前に公開しなければならない。
2 前項の標識の設置期間は、当該標識に係る中高層建築物等の工事に着手する日までとする。
3 中高層建築物等の建築主は、第1項の規定により標識を設置したときは、直ちに標識設置報告書を作成し、市長に報告しなければならない。
(建築計画の事前説明及び報告)
第8条 中高層建築物等の建築主は、中高層建築物等を建築しようとする場合においては、法第6条第1項又は法第6条の2第1項に規定する確認の申請(以下「確認申請」という。)をしようとする前に、規則で定める事項について近隣住民に対する説明(以下「事前説明」という。)をしなければならない。
2 中高層建築物等の建築主は、周辺住民の求めがあるときは、前項に定める事項について当該周辺住民に対する説明をしなければならない。
4 中高層建築物等の建築主は、近隣住民の長期不在その他の当該建築主の責めに帰すことができない理由により、事前説明をすることができないときは、規則で定めるところにより近隣住民に対する周知をしなければならない。
(調整の申出)
第10条 紛争当事者は、紛争が生じた場合において、第6条の規定に基づく自主的な解決の努力を尽くしてもなお紛争の解決に至らないときは、当該紛争の調整(以下「調整」という。)を市長に申し出ることができる。
2 前項の規定による調整の申出は、当該紛争に係る中高層建築物等の工事の着手前に行わなければならない。
3 市長は、第1項の規定による調整の申出があったときは、紛争当事者間に合意が成立するよう調整を行うものとする。
4 市長は、紛争の調整のため必要があると認めるときは、関係者に対し、その意見又は説明を聴くための調整の場への出席及び必要な資料の提出を求めることができる。
(調整の打切り)
第11条 市長は、調整に係る紛争について、紛争当事者間に合意が成立する見込みがないと認めるときは、調整を打ち切ることができる。
(調整の非公開)
第12条 調整の手続は、公開しない。
(指導又は勧告)
第13条 市長は、中高層建築物等の建築主が次の各号のいずれかに該当するときは、当該建築主に対し、期限を定めて必要な措置を講じるよう指導し、又は勧告することができる。
(1) 第7条第1項に規定する標識を設置しないとき。
(2) 第8条第6項の規定による報告をせず、又は虚偽の報告をしたとき。
(公表)
第14条 市長は、前条の規定による指導又は勧告を受けた中高層建築物等の建築主が正当な理由がなくこれに従わないときは、その旨を公表することができる。
附則
この条例は、平成26年4月1日から施行する。