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No.28「2023年、令和5年の下半期を振り返る」~定例教育委員会教育長報告より~【令和5年12月28日】

更新日:2023年12月28日

2023年、令和5年が間もなく終わろうとしています。
新型コロナウイルス感染症が収束したとは言えませんが、インフルエンザの感染の拡がりもみられる今年の後半でした。しかしそのような中でも、経験と学習の中から4年ぶりに開催する行事も多くあり、人の力は強くたくましく、知恵を出し合い工夫しながら「新しい教育・文化」の創造へとその繋がりを感じています。
これまでのコラムでもお知らせしていますが、小城市教育委員会では、毎月第4木曜日(特別な事由がある場合は、変更もあります)に定例会を開催しています。その会議の冒頭に教育長報告がありますが、その際に私の所感も含めて、その月の事業や状況を報告しています。
今年の後半を振り返るとともに、私自身、新しい年に向けて、小城市の教育行政における方向性を見出していきたいと思いましたので、この半年の報告書の一部、前文のみをご紹介させていただきます。

*7月(2023.7.27)教育長報告より*

今年は、5月29日に梅雨入り、7月25日に梅雨明けというとても長い梅雨の期間でした。今月上旬には線状降水帯の発生等で、特に佐賀県、福岡県、大分県、その後の秋田県では大きな被害に見舞われました。この数年間は毎年7月、8月は全国的に大雨に見舞われ、大きな被害が発生しており、「数十年に一度」という状況ではありません。近年を振り返ってみますと、

2017年 7月5日、6日 九州北部豪雨(福岡県、大分県) 
2018年 台風7号 7月3日臨時休校 7月6日から西日本豪雨
2019年 6月29日からの大雨 九州南部地方 8月27日から28日 佐賀豪雨 九州北部を中心に水害
2020年 7月豪雨 特に九州南部地方の熊本、鹿児島には大きな災害 7月10日臨時休校
2021年 7月3日静岡県熱海市における土石流被害
2022年 台風4号 7月5日臨時休校
そして本年2023年 大雨 7月10日臨時休校

このように毎年「想定をはるかに超える大雨」になっており、どのような対応をするべきなのか、それは「空振りでも早めに避難し安全な居場所を確保し、命を守る」しかありません。とにかく、通常の安全・安心な生活ができるように危機的な状況の想定を自分事として捉え、確かな情報を共有して人々の協力によって取り組んでいく必要があります。

今学期の学校訪問では、子どもたちの笑顔や先生方と子どもたちがしっかり向き合って授業が展開されており、その現状を見ることができて大変うれしく思いました。引き続き、人と人との関係を大切に保ちながら、各学校における日々の授業の工夫改善が、生きる力の育成、学力向上に繋がっていくことを期待しています。また、小城多久地区中学校総合体育大会は、悪天候のため7月1日から15日までの期間で開催されました。子どもたちが日ごろから仲間とともに一生懸命に目標を目指して取り組んできて、その練習の成果を発揮できた発表の場があったことは、本当に良かったと思います。

 

学校訪問便覧写真

 

*8月(2023.8.24)教育長報告より*

今月上旬は、台風6号の影響を受けて中止になった行事もありましたが、その間、猛暑が続く中、コロナ禍前のように小学生の大会、中体連、高校総体や吹奏楽、合唱コンクール等、県大会、九州大会、全国大会とさまざまな行事が開催されました。
また、この夏、今年で戦後78年目を迎えました。「平和の願いを後世へ」という節目の日(8月6日、8月9日、8月15日)を迎え、依然として続くウクライナ情勢のこともあり、平和教育において戦争体験の継承とともに「戦争のない平和な社会」を永遠に持続させるために、私たちは今、何をどのように伝え、大人も子どもも共に考え行動するのか、問われていると思います。
*8月は佐賀県「同和問題啓発強調月間」です。小城市人権・同和問題を考える講演会(8月2日)、佐賀県人権・同和教育研究大会(8月4日オンデマンド)では、特に〝インターネットによる差別〟をテーマにして、改めて、部落差別の現実を考える機会があり、引き続き私自身が当事者意識を持ち、全ての人が安心して生活できる差別や偏見のない社会を目指し教育・啓発の重要性を認識して、具体的な取組みを実行しなければならないと思いました。
 

*佐賀県人権・同和教育研究大会(講師 半田望弁護士)

●インターネットでの権利侵害

 ・権利とは…プライバシー権、名誉権、氏名権、アイデンティティ権、

       肖像権、著作権、商標権
 ・類型…SNSによる誹謗中傷、デマの拡散、動画写真から個の侵害
 ・特有の問題…基本的知識、認識の欠如/誤った価値観、正義感に基づく行為、

        違法性の意識を持たない書き込み(付和雷同型)

 

●SNSによる権利侵害と「いじめ」の近似性

 ・顔が見えないことによる心理的な負担の低さ/「遊び半分」での行為/付和雷

  同型の違法行為/「被害者にも理由がある」という主張


●教育現場で教えてほしいこと

 ・「拡散」の危険性

 ・「匿名性」はないこと(特定の容易性)

 ・誰もが加害者or被害者になり得ること


●問いかけてみましょう!顔が見えない匿名の危険性
 ・面と向かって同じ内容を言えますか?
 ・実名をあげてでも、その書き込みができますか?
 ・その写真、投稿は全世界の人たちにみせていいですか?
 ・自分以外の人たちに迷惑はかかりませんか?

2023年8月6日第31回中林梧竹翁顕彰席書大会の写真

2023年8月6日 第31回中林梧竹翁顕彰席書大会(ドゥイング三日月)

 

*9月(2023.9.28)教育長報告より*

8月は暑さの厳しい日々が続きましたが、9月に入って朝夕は涼しくなり、めっきり秋らしくなってきて、小中学校は実りの多い2学期がスタートしました。まだまだ引き続き日中の暑さがありながらも、学校や園の行事については、それぞれの場所でさまざまな教育活動が、その成果発表の場として実施、開催されています。これまでの感染症や自然の猛威も念頭に入れながらも、教育・保育の活動において重要な体験・経験であることを認識し、多くの人の知恵と協力でさまざまな対策を講じ工夫しながら、教育活動を継続して展開されていることに対して、関係者の方々に改めて感謝しています。子どもたちにとって、実りの多い教育活動が展開され、一歩一歩成長する期間になればと願っています。

9月9日には、土生遺跡が1971年に発見されて今年で52年、国史跡に指定されてから50周年、その特別展の開場式を開催しました。教育委員会としましても、2年前から小城の歴史と伝統を受け継ぐものとして土生遺跡の素晴らしさをテーマに事業を展開してきており、今年はその仕上げの年になります。10月22日までの会期中では、シンポジウム、記念講演、文化財ウォーキング、公園まつり等、土生遺跡に関する事業を開催することにしています。

小城市民のみなさんはもとより、県内外から多くのみなさんにおいでいただき、小城市の土生遺跡の素晴らしさを広く知っていただきたいと思っています。

2023年9月15日ソフトボール選手権大会開会式の写真

2023年9月15日 ソフトボール選手権大会開会式

 

*10月(2023.10.26)教育長報告より*

令和5年度の上半期を折り返して、いよいよ後半の下半期に入りました。市議会では、昨年度事業の決算認定をしていただき、教育委員会の昨年度事業については、評価委員会により点検・評価を受けたところです。改めてこれまでを振りかえり、事業の進捗状況について点検・評価するとともに、これまでのさまざまな教育課題を整理しつつ、引き続き課題解決に向けて進む時期と捉えて前進したいと思います。
気になる感染症についても、新型コロナウイルス感染症よりインフルエンザの感染が多い状況ですが、コロナ禍以前に近い形、または新たな形で開催されている行事、教育活動も多くみられるようになりました。この時期はとても活動しやすい季節であり、【○○の秋】~文化、スポーツ、芸術、芸能~「実りの秋」と捉えて各種団体等においても取り組まれています。今後もさまざまな活動が継続されて、生きがいや人の繋がりが強くなることを期待しています。
2023年10月22日第71回佐賀県高等学校定時制通信制生徒生活体験発表会の写真
2023年10月22日 第71回佐賀県高等学校定時制通信制生徒生活体験発表大会
 

*11月(2023.11.24)教育長報告より*

11月は「小城市文化と教育に親しむ月間」。文化、芸術、芸能、スポーツ等の関連行事も、コロナ禍以前に近い状況で開催される行事や4年ぶりの開催という行事も多くみられました。やはり、活動されている多くの皆様の生き生きと輝く姿を直接見たり聞いたりすることができ、人の命の息吹を感じ、心があたたかくなる場面がたくさんありました。改めて、こうした活動とその発表の場の必要性を強く感じます。多くの関係者のみなさんに、心より感謝します。
11月8日の小城市教育研究大会(平成22年度から開催)も今年度で14年目を迎え、各学校の発表が4巡目に入りました。発表校(牛津小、砥川小、牛津中)においては公開授業、分科会においては、今回は地域の皆様にも参観いただき、小中学校の先生方の熱心な意見交流もあり、地道に取り組まれた日ごろの校内研究の成果が見られる貴重な研究大会になりました。また、学校・園訪問では、先生と子どもたちがしっかり向き合い、授業等に取り組み、子どもたちが落ち着いて学習に取り組む姿と子どもたちの笑顔の輝きがみられ、各学校・園における職員のまとまりも感じました。今後の市内の園や小学校、中学校の連携された教育実践にも大いに期待しています。
2023年11月8日小城市教育研究大会牛津小学校の写真2023年11月8日小城市教育研究大会砥川小学校の写真2023年11月8日小城市教育研究大会牛津中学校の写真
2023年11月8日 小城市教育研究大会(牛津小学校(左上)・砥川小学校(右上)・牛津中学校(左下))
 

*12月(2023.12.26)教育長報告より*

令和5年も間もなく終わろうとしています。新型コロナウイルス感染症も5月に5類に移行して以来、インフルエンザ感染の流行に対しても、感染防止対策をとった上で、教育活動や保育活動を止めない、停滞させないことを常に念頭に入れながら、多くの関係機関で継続して運営されてきているところです。関係者のみなさんの取組みに改めて感謝しています。
さて、今年9月から稼働している新小城市学校給食センターも、スタートから約4か月が経ちました。毎日、2つの献立で対応し市内の10小中学校、1幼稚園の約3800食を提供しています。まだ課題はありますが、その都度、対応調整しながら、少しずつ軌道に乗ってきたところです。
今日、一般的に豊かになった食生活は、一方では偏った栄養摂取、朝食欠食、不規則な食事など食生活の乱れ、偏った食事内容からくる栄養のアンバランスなどの問題も指摘されています。このような状況の中、学校給食には、成長期にある児童生徒の健康の保持増進と体位の向上に大きな役割があります。子どもたちが毎日を健康でいきいきと生活できるようにするために、食事、運動、休養の調和のとれた生活習慣を身につける必要があり、これから大人へと成長していくための1日3食のうちの大事な1食になります。
そのため学校給食の献立は、栄養ばかりではなく、おいしく食べられるようにするために、栄養教諭、栄養士の職員の方々が子どもたちのために知恵を出し合い、多様な食品の組み合わせや栄養バランスがとれるように工夫して取り組んでいます。学校給食の果たす役割や地産地消の観点からも、使用している旬の食材や和食文化等の魅力について、献立の成り立ちやその食材の生産、調理、配送、配膳までに多くの人が関わり、多くの人のお陰で食事ができること、感謝の心をもって友人と和やかに食事をすること、豊かな心や望ましい人間関係を育成することからも、食育教育の推進に努めていきたいと思います。
 
2023年12月10日文化講演会の写真
2023年12月10日 文化講演会
 
 
  令和5年12月28日  
小城市教育長 大野 敬一郎
 

問い合わせ

小城市教育委員会 教育総務課 (東館2階)
〒845-8511 佐賀県小城市三日月町長神田2312番地2
電話番号:0952-37-6130 ファックス番号:0952-37-6167
メール:kyouikusoumu@city.ogi.lg.jp
 

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