小城市の文化財(有形民俗文化財)
更新日:2026年5月18日
小城市重要民俗文化財
砥川石工道具類(とがわいしくどうぐるい)
指定年月日:令和8年(2026年)2月26日
砥川石工は、肥前石工の発祥地とされる小城市牛津町上砥川を拠点に活動した石工集団で、江戸時代に優れた彫刻技術で石造物を制作した平川与四右衛門に代表されます。江戸時代から近代にかけて、佐賀県内はもとより隣県域(福岡、長崎、熊本)にも出向いて制作を行っており、彼らが手がけた石造物の分布は地域的な広がりを見せます。
これらの石工道具類は、そうした肥前石工の系譜をひく谷地区を拠点とした最終期の石彫石工が使用していたもので、加工用具や鍛冶用具等からなります。伝統的な石彫石工の道具がほぼ一式揃っており、加工の各工程や道具の手入れに用いられた用具を、順を追って確認することができます。全体に摩滅が激しいものが多く、日々手入れを続けながら最後まで大切に使われたものと思われます。
石工道具の多くは、独立時に師匠から譲られたほか、各石工が鋼材から切り出し使いやすいように加工・自作していました。昭和30年代以降は切先に超硬合金を用いた製品も加わるようになり、機械化が進むと機械との併用を前提とした新たな道具も加わったことがわかります。また、彫刻用ノミについては安山岩の場合は切先が鋭利なものを、花崗岩には切先が鈍角なものを使い分けており、最終期の砥川石工が安山岩のみでなく花崗岩も加工・製品化していたことがうかがえます。さらに、未完成の石造物についても、石工の具体的な作業手順や各工程での道具の使い分けを観察することができる貴重なものです。
江戸時代からの流れをくむ砥川の石工は、近代以降次第に数を減らしていき、昭和期には従事者はわずかとなります。さらに昭和期後半以降には急速に機械化が進んだこともあり、平成初期には生業としての砥川の伝統的な石彫石工は途絶えることとなりました。そうした中、これらの資料は昭和初期以降の最終期の砥川石工3名が実際に使用していた道具で、機械化以前から変わらない手作業の各工程で使われた伝統的な道具がおおむね網羅されており、さらに近代化の過程で新たに加わった道具等も含まれています。技術進歩の波にさらされながらも近世以来の伝統技術を継承し活動を続けた石工の道具がまとまっている事例は、市内はもとより県内にも他に例がなく貴重です。
問い合わせ
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