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No.24「2021年後半を振り返る」~定例教育委員会教育長報告より~【令和3年12月28日】

更新日:2021年12月28日

 2021年、令和3年が間もなく終わろうとしています。
 今年も昨年に引き続き、新型コロナウィルス感染症拡大のため、日本ばかりでなく、世界中の多くの人々が今なおその病によって、不安と恐怖の日々を送っています。しかし、その反面今年は、東京オリンピック・パラリンピックの開催など、人の力は強くたくましく、知恵を出し合い、工夫しながらも「新しい生活様式」へと移行しています。今後も、この「新しい生活様式」の中から、人と人との力を合わせて、必ず「新しい教育・文化」の創造へつながることと信じています。

 教育長コラム23号でも書きましたが、小城市教育委員会では毎月第4木曜日(特別な事由がある場合は、変更もあります)に定例会を開催しています。その会議の冒頭に教育長報告がありますが、その際に、私の所感も含めてその月の事業や状況を報告しています。
 今年の後半を振り返るとともに、私自身新しい年に向けて、小城市の教育行政における方向性を見出していきたいと思いましたので、この半年の報告書の一部、前文のみをご紹介させていただきます。

*7月(2021.7.20) 教育長報告より*

 今年は5月15日に梅雨入り、7月13日に梅雨明けしました。佐賀は平年より少ない降水量でしたが、この数年間の7月は全国的に毎年のように大雨による大きな被害に見舞われ、凄まじい自然の猛威に怯える月となっています。今月上旬の静岡県熱海市における土石流の被害は、東日本大震災を思い起こすような災害でした。今年5月から、避難の判断になる警戒レベル(5段階)が変更になり、警戒レベル5「緊急安全確保」は、すでに安全な避難ができず、命が危険な状況ということで、レベル4「避難指示」で必ず避難することになっています。毎年「想定をはるか超える大雨」になっており、どのような対応をするべきなのか、それは、「空振りでも早めに避難し安全な居場所を確保する」しかありません。それに、重ねて新型コロナウィルス感染症対策とともに、とにかく通常の安心・安全な生活ができるように、確かな情報を共有して、人々の協力によって取り組んでいく必要を感じています。
 このような中でも、小城多久地区中学校総合体育大会では子どもたちが仲間とともに一生懸命に競技に取り組む姿を見ることができました。日ごろから、目標を目指して取り組んできて、その練習の成果を発揮できた場があったことは、本当に良かったと思います。また学校訪問では、感染症予防対策をしながらも、先生方と子どもたちがしっかり向き合って授業が展開されており、子どもたちの笑顔やその現状を見ることができて大変うれしく思いました。引き続き、人と人との関係を大切に保ちながら、各学校における日々の授業の工夫改善が学力向上に繋がっていくことを期待しています。

2021年7月3日(土)バレーボール(芦刈文化体育館) 令和3年7月3日バスケットボール競技(小城中体育館)
バレーボール競技(芦刈文化体育館)    バスケットボール競技(小城中体育館)

*8月(2021.8.26) 教育長報告より*

 新型コロナウィルス感染症が全国的に拡がりを見せる状況の中ではありましたが、7月23日から8月8日まで、東京オリンピックが開催されました。大会期間中、選手も関係者も各国の代表として参加して、コロナ禍という共通の不安を感じながらも厳しい練習に取り組み、オリンピックという発表の場において、最後はメダル関係なく、スポーツを通してお互いに称え合い認め合う姿、そして、あらゆることに感謝する心が見えるシーンを数多く見ることができました。また、開催の是非については、さまざまな意見がありましたが、日本のみならず世界中の人がスポーツ、平和、人権、命について改めて考える機会となったのは間違いないことだと思います。このオリンピックを通して、人々が困難な時に立ち上がるために励まし合い、支え合うことの大切さを感じ、共に行動していくことへ繋がっていくことを願っています。
 また、この夏今年で戦後76年目を迎えました。「平和の願いを後世へ」という節目の日(8月6、9、15日)を迎え、戦争体験者が高齢化する中、平和教育において戦争体験の継承はどのようにして後世へ伝えていくのか、今後も重要な学習課題です。
 8月は「同和問題啓発強調月間」です。4日の小城市人権・同和問題を考える講演会では、「結婚差別」について考える講演会でした。今もなお、部落差別をはじめとするあらゆる差別があり、その差別に悩み、苦しみ、不安が消えることがない社会があります。
 私たちは、この差別の現実にしっかりと向き合い、その差別の解消のために人権問題、同和問題に対して、子どもも大人もすべての人々が正しい知識をもち、正しく理解することが何よりも大切であると思いました。まずは私自身が、差別の現実に学び、当事者意識を持ち、全ての人が安心して生活できる差別や偏見のない社会を目指して、教育・啓発に取り組んでいきたいと思います。

令和3年8月7日(土)うちどくマラソン(小城市民図書館)
うちどくマラソン(小城市民図書館)

*9月(2021.9.21) 教育長報告より*

 先日の17日は台風14号の接近で、臨時休校・休園になりました。昨年の9月は台風9号、10号と続けて発生通過し、それも「今までに経験したことがない台風」という予報が出て、その言葉に多くの人が恐怖に怯える日々を送ることとなったことを思い出します。この時期は大雨、台風に対する不安と新型コロナウィルス感染症に対する不安はありますが、多くの人の知恵と協力でこの難局を乗り越えてさまざまな予防・防止対策を講じながら、教育活動の展開に期待して、安心・安全で笑顔の多い場面を多く見ることができることを願いたいと思います。
 夏季休業中よりコロナ第5波の中で、小中学校は実りの多い二学期がスタートしました。このような自然の脅威も感じ、かつ感染症の不安を抱えながらも、学校や園の行事については、教育・保育の活動において重要なものであると認識しています。それぞれの場所でさまざまな対策を講じ、工夫しながら可能な限りその成果発表の場の開催を目指していく取組みを有難く思います。子どもたちにとって、体験的な活動が不足しているこの環境の中でも、これからの厳しい社会を生き抜くために必要な力を身につける必要があります。そのためにできる限りの教育活動を通して、仲間と協力しあって子どもたちの「笑顔」や「真剣なまなざし」が輝き、「生きる力」が育まれる教育を目指していきたいと思います。

令和3年9月3日三日月中体育大会 令和3年9月12日三日月中体育大会
               三日月中体育大会

令和3年9月4日小城中スケッチ大会
小城中スケッチ大会

*10月(2021.10.28) 教育長報告より*

 今年度の折り返しを過ぎ、上半期を終えて下半期に入りました。昨年度の事業については評価委員会により点検評価を受け、議会では昨年度事業の決算認定をしていただいたところです。改めてこれまでを振りかえり事業の進捗状況について点検・評価するとともに、これまでのさまざまな教育課題を整理しつつ、引き続きその課題解決に向けて進む時期に入りました。
 新型コロナウィルス感染症の感染状況は現在は落ち着きがあるものの、これまでの経緯からしても、まだ、いつ、どのように拡がりがみられるのかわからない不安定な状況には変わりありません。そのような状況ではありますが、この時期はとても活動しやすい季節であり、【の秋】~文化、スポーツ、芸術、芸能~そうした「実りの秋」と捉えて取り組みたいと思います。

※10月24日オンライン講演より「子どもの自尊と自律を育てる保育環境」
勝山 結夢さん(奈良県/国際臨床保育研究所)
気になったワードを以下にまとめてみました。
〇自律
→自分で考え解決する力が育っているか、自分で選び、決めたという感覚があるか
→自己選択/自己決定/自己解決
 …0歳から始まる大切な育ち。生まれた瞬間から一人の人
〇自律等を支えるのが、自分のことが好きだという「自尊感情」≪居心地感≫
〇基本的自尊感情(生涯なくならない)と社会的自尊感情(他者と比較して得られるもの)
〇愛着は、何歳からでも、誰とでも(親でなくても)、再形成できる。他者、人との出会い
〇創造力=ひらめき力
 …ひらめく瞬間→「ぼーっとしているとき」と「人と話しているとき」
〇教育の中で、アイコンタクトを意識する
 ≪安心感/安全感≫を感じることが育ちにつながる
〇アクティブラーニング
→ラーニングピラミッド(平均学習定着率)
 …講義<読書<視聴覚<デモンストレーション<グループ討議<自ら体験<他の人に教える

令和3年10月9日晴田地区青少健 一人一台タブレット
晴田地区青少健                一人一台タブレット

*11月(2021.11.22) 教育長報告より*

 11月は「小城市文化と教育に親しむ月間」。昨年のこの時期は、残念ながら多くの催しが中止となりましたが、今年度は感染症の拡がりに落ち着きがみられて、小城市民文化祭における市民のみなさんの作品展示やステージ発表が規模縮小ながらも開催されました。例年のような規模にはまだ届かないものの、日ごろの文化・芸術・芸能の発表の場として、貴重な活動の披露と交流をしっかり見ることができました。誰もが、直接対面して、こうした文化や教育に親しむことで、人と人とのふれあい、人の繋がり、交流の場になり、一人ひとりが輝き、明日の活力になる元気とやる気に繋がる貴重な催しであると改めて認識し実感したところです。関わってくださった多くの関係者のみなさんには、心より感謝します。
 平成22年度から始まった小城市教育研究大会も昨年度は中止でしたが、今年度12年目を迎えました。11月10日、岩松小、三日月小、三日月中の発表校においては公開授業、さらに分科会においても、小中の先生方の熱心な意見交流もあり、地道に取り組まれた日ごろの校内研究の成果が見られる貴重な研究大会になりました。また、学校訪問では、先生と子どもたちがしっかり向き合い、授業づくりに取り組み、子どもたちが落ち着いて学習に取り組む姿と各学校における職員のまとまりを感じました。今後の市内の全小中学校の義務教育9年間の教育実践に大いに期待します。

令和3年11月3日うしづ公演会 令和3年11月7日子ども文化まつり
うしづ公演会                子ども文化まつり

*12月(2021.12.23) 教育長報告より*

 小城市教育の基本目標「城創伝心…人づくり」→令和3年は、どんな年であったのでしょうか。年初めには、『今年も、下を向かず、昨年の経験を生かすとともに慣れることなく更に多くの知恵を出し合い、工夫しながら「新しい生活様式」の中から、「新しい教育・文化」を創造していかねばならない』と決意のもと、その目標を確認しつつ「今できること」を確認しながら、全職員チーム一丸なって、一つ一つの事業について、取り組んできています。その事業を展開する場…小中学校、保育園幼稚園、給食センター、公民館、体育スポーツ施設、図書館、文化施設等…その評価は、自己評価すればやはり反省すべき点も多くあり、課題も山積しています。改めて整理して、まずは私自身が子どもたちや市民の皆様の笑顔や生き生きとした教育活動をイメージしながら、今後も誠意をもって取り組んでいきたいと思います。

令和3年12月4日南九州市交流事業「平和の出前講座」牛津中
南九州市交流事業「平和の出前講座」牛津中

令和3年12月28日     
小城市教育長 大野敬一郎

 

問い合わせ

小城市教育委員会 教育総務課 (東館2階)
〒845-8511 佐賀県小城市三日月町長神田2312番地2
電話番号:0952-37-6130 ファックス番号:0952-37-6167
メール:kyouikusoumu@city.ogi.lg.jp
 

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