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No.30「2024年、令和6年の下半期を振り返る」~定例教育委員会教育長報告より~【令和6年12月27日】

更新日:2025年1月 9日

2024年、令和6年が間もなく終わろうとしています。
新型コロナウィルス感染症はだいぶ落ち着きが見られましたが、インフルエンザの感染の拡がりもみられる今年の後半でした。しかしそのような中でも、多くの行事がコロナ禍以前のように経験と学習の中から、活気ある行事として多く開催されました。人の力は強くたくましく、知恵を出し合い工夫しながら「新しい教育・文化」の創造へと、その繋がりを感じています。
これまでのコラムでもお知らせしていますが、小城市教育委員会では、毎月第4木曜日(特別な事由がある場合は、変更もあります)に定例会を開催しています。その会議の冒頭に教育長報告がありますが、その際に私の所感も含めて、その月の事業や状況を報告しています。
今年の後半を振り返るとともに、私自身、新しい年に向けて、小城市の教育行政における方向性を見出していきたいと思いましたので、この半年の報告書の一部、前文のみをご紹介させていただきます。
 

*7月(2024.7.25)教育長報告より*

北部九州は今週初め7月22日に梅雨明けし、6月17日の梅雨入りから約5週間の梅雨の期間でした。今月上旬では、線状降水帯の発生の可能性あり、との予報があり、市内でも避難所の開設もありましたが、大きな被害もなく少しは安堵したところです。しかし、梅雨明け後は、「熱中症警戒アラート」が出される日も多く、猛暑、酷暑という〝災害級の暑さ〟と表現されるように、今後も引き続き大雨、台風等と同様に危機的な状況を想定するとともに、自分事として捉え「安全な居場所を確保し、命を守る」ことを最優先に取り組まなければならないと思います。
今年度の学校訪問は1学期のうちに8校の訪問ができ、現在の学校教育の状況を直接見ることができて大変有意義な訪問となりました。子どもたちの真剣な眼差しや笑顔、そして先生方と子どもたちがしっかり向き合って授業が展開されており、大変有難く、うれしく思いました。全国の状況と同様に市内の小中学校においても、学力向上、特別支援教育の充実、いじめ問題、不登校対策等、大きな問題・課題を抱えている現状ではあります。しかし、引き続き各学校におけるチーム学校としての取組や日々の教育活動が充実して行われて、人と人との関係を大切に保ちながら、生きる力の育成に繋がっていくことを期待しています。また、中学校の部活動等においては、6月29日から30日で小城多久地区の大会、7月20日から23日で佐賀県の中学校総合体育大会が開催されました。何よりも日ごろから、子どもたちが仲間とともに一生懸命に目標を目指して取り組んできて、その練習の成果を発揮できた発表の場があったことは、本当に良かったと思います。
7月5日には佐賀県市町教育委員会連合会総会・研修会が開催され、県内20市町の教育長、教育委員のみなさんが一堂に会して、またグループに分かれ、現在の教育課題を共有するとともに、各市町の取組みや悩み事も含め、協議、意見交換が熱心に行われました。今後の教育委員会の方向性を確認するとても意義深い研修会となりました。

学校訪問

2024年7月5日 三里小学校学校訪問
 

*8月(2024.8.22)教育長報告より*

8月に入ってからも毎日のように、「熱中症警戒アラート」が出され、猛暑、酷暑という〝災害級の暑さ〟が続いており、本当に暑い夏となっています。上旬から立て続けに発生している台風も、今後も引き続き心配される自然現象と言えます。これからも気候変動の激しい夏に対して、危機感をもって対応しなければならないと思います。
7月26日から開催された「パリオリンピック」も、8月11日に閉幕しました。多くのアスリートのみなさんが繰り広げた素晴らしい競技、演技の姿をテレビ越しに見ることができ、感動する場面がたくさんあり、勇気と元気をもらいました。その一方で、改めて考えさせられることもありました。それは、昨今の大きな社会問題であり、教育課題にもなっているSNS問題です。SNSでの止まらない選手への誹謗中傷が深刻な事態となり、選手のみならず家族に対するインターネットでの攻撃は、とても悲しくなってしまいます。これは日本だけではなく他国でも大きな問題となっており、中国では、選手への誹謗中傷を巡り逮捕者も出ています。本来なら応援したり励ましたり、称賛したり労うものとして、あたたかい心のメッセージをSNSにて発信してほしいのに、本当に残念でなりません。やはり、子どもたちへの心の教育、情報モラル教育の充実を図っていかなければならないと思っております。
また、この夏、今年で戦後79年目を迎えています。「平和の願いを後世へ」という節目の日(8月6日、8月9日、8月15日)を迎え、依然として続くウクライナ情勢のこともあり、平和教育において戦争体験の継承とともに、「戦争のない平和な社会」を永遠に持続させるために、私たちは今何をどのように伝え、大人も子どもも共に考え、行動するのか、問われていると思います。
*8月は佐賀県「同和問題啓発強調月間」です。部落差別の現実を考える機会もあり、引き続き私自身が「当事者意識」を持ち、自分のこととして捉え、全ての人が安心して生活できる差別や偏見のない社会を目指して、教育・啓発の重要性を認識して、具体的な取り組みを実行しなければならないと思います。
 

令和6年度県・市町教育長意見交換会
(1)佐賀県の英語教育の充実に向けて
(2)教職員不足対策について
(3)教員業務支援員配置事業にかかる財源措置について
(4)統合型校務支援システムについて
(5)特別支援学校スクールバスについて

 

*9月(2024.9.26)教育長報告より*

8月末に日本各地に大きな被害をもたらすこととなった台風10号については、小城市内では、大きな被害もなく安堵したところです。これからも、まだ台風の発生する可能性がありますので、危機感を持ちながらの対応になると気を引き締めていきたいと思います。9月前半も引き続き暑かった夏もここのところ、朝夕は少しずつ涼しくなり、めっきり秋らしくなってきて、学校等は実りの多い2学期となっています。引き続き日中の暑さはありながらも、学校や園の行事については、暑さ対策をとりながら、それぞれの場所でさまざまな教育活動が、その成果発表の場として開催または予定されています。教育・保育の活動において重要な体験・経験であることを認識し、安全を第一に考え、さまざまな対策を講じ工夫しながら、教育活動を継続して展開されていることに対して、関係者の方々に改めて感謝しています。子どもたちにとって、何よりも安心安全な実りの多い教育活動が展開され、一歩一歩成長する期間になることを願っています。
9月5日からは、SAGA2024国民スポーツ大会の会期前競技が、SAGAアリーナで行われた体操競技で開幕しました。そして、いよいよ10月5日からは、本会期が開催されますが、佐賀県では1976年、昭和51年以来、48年ぶりの国民体育大会から国民スポーツ大会に名称が変わる節目の記念すべき大会になります。県内外から多くのみなさんに、佐賀県、小城市においでいただきます。小城市民のみなさんとともにおもてなしの心をもって、佐賀県や小城市の素晴らしさも同時に堪能していただき、スポーツで活気あふれる大会になることを期待しています。

2024年9月8日 みさとなごみ園落成式・開園式2024年9月15日 三日月中学校体育大会

2024年9月8日 みさとなごみ園落成式・開園式(左) 2024年9月15日 三日月中学校体育大会(右)

 

*10月(2024.10.24)教育長報告より*

【実りの秋】~文化、スポーツ、芸術、芸能~ この時期はとても活動しやすい季節であり、多くの市民のみなさんが何らかの活動に取り組むには最適な季節でもあります。
その中でも佐賀県では、10月5日からはSAGA2024国民スポーツ大会が開催されました。48年ぶりの国民体育大会から国民スポーツ大会に名称が変わる節目の記念すべき大会であり、県内外から多くのみなさんに佐賀県、小城市においでいただきました。これまでにない総合開閉会式やナイトゲーム等、「新しい大会」となりました。まさに「すべての人に、スポーツのチカラを。」というスローガンのもと、感動する場面も多く、勇気や元気をもらった大会となったと思います。週末の全国障害者スポーツ大会も、多くのみなさんに「する・観る・支える」大会になることを期待しています。これからもこのような大きな大会ばかりでなく、多くの市民のみなさんのさまざまな活動が継続されて、生きがいや人の繋がりが強くなることを祈っています。
また令和6年度の上半期を折り返して、いよいよ後半の下半期に入りました。教育委員会の昨年度事業については、評価委員会により点検・評価を受けたところです。改めてこれまでを振りかえり、事業の進捗状況について点検・評価するとともに、これまでのさまざまな教育課題を整理しつつ、引き続き課題解決に向けて取り組んでいきたいと思います。
 
2024年10月9日 SAGA2024国民スポーツ大会バレーボール競技
2024年10月9日 SAGA2024国民スポーツ大会バレーボール競技
 

*11月(2024.11.28)教育長報告より*

11月は「小城市文化と教育に親しむ月間」。今年は、感染症の拡がりも次第に落ち着き、文化、芸術、芸能、スポーツ関連の行事も以前のように活発に開催されることが多くみられました。文化もスポーツも「する・観る・支える」活動となり、多くの市民のみなさんのさまざまな活動が継続されて、生きがいや人の繋がりが強くなることを期待しています。
学校教育においては、11月6日の小城市教育研究大会(平成22年度~)も今年度で15年目を迎え、発表校(晴田小、芦刈観瀾校)においては公開授業、分科会の教育実践が開催されました。今年も、地域の多くの皆様にも参観いただき、小中学校の先生方の熱心な意見交流もあり、今後の各学校における教育実践に大いに期待されるものとなりました。
また11月9日に、佐賀県児童生徒理科教育研究発表会が多久市で開催されました。理科という教科、学問は私たちの身の回りの自然現象やさまざまな事象の中で、なぜ、どうして、という不思議や疑問などがスタートにあって、そこから、さまざまな観察、実験や検証しながら解き明かし、答えを導きだしたり、まさに未来を切り拓くための重要な学問の一つです。日ごろから理科やそうした事象に特に関心を持ち、自ら考え、そして調べ、学んでいる児童生徒の研究の発表の場で、テーマや題名をみても、ワクワクするようなテーマの発表が多く、とても興味深いものでした。発表した児童生徒のこうした自ら考え調べる力や、問題に立ち向かう姿勢は、自己の人生においてもとても大切な力となり、このような研究や発見は、周りの多くの人々に対しても新たな視点、発想を与えてくれることと思います。
 
2024年11月16日 第20回小城市少年少女の声大会
2024年11月16日 第20回小城市少年少女の声大会
 

*12月(2024.12.26)教育長報告より*

1948年(昭和23年)に国際連合が世界人権宣言を採択し、1950年(昭和25年)12月4日の第5回総会において、世界人権宣言が採択された日である12月10日を「“世界”人権デー」と定めました。そこで日本では、毎年12月4日から10日までを「人権週間」として、世界人権宣言の意義を具現化するとともに、全ての人の人権の尊重、そしてさらに普及、推進するため、全国各地においてシンポジウムや講演会などさまざまな人権啓発の活動が行われています。
現在の社会では、部落差別(同和問題)、いじめや虐待、性被害等のこどもの人権問題、インターネット上の人権侵害、障がいのある人や外国人、性的マイノリティ等に対する偏見や差別、ハンセン病問題といった多様な人権問題が今もなお多くの人を苦しめています。
これらの問題の解決には、私たち一人一人がさまざまな人権問題を、自分以外の「誰か」のことではなく、自分のこととして捉え、互いの人権を尊重し合うこと、そして、正しい理解と認識を深めることが何より大切なことだと思います。
小城市においても、12月7日に「じんけんふれあい講演会」が開催されました。講師には、ゴスペルシンガーの市岡裕子さんより、「誰かがあなたを必要としている」という演題での講演や受賞者代表の作文発表がありました。人を大切にできる心を持つために、まずは、自分自身を大切にすること、そして他の人や他の物事のせいにしないで、自分を変えることで周りを変えることに心がけて、思いやりの心があふれる安心して生活ができる社会づくりに関わっていきたいと思いました。
令和6年も間もなく終わろうとしています。この一年を自分のこととして一つずつ素直に振り返り、新たな年に向けて活かしていきたいと思います。

2024年12月8日 社会を明るくする運動作文発表会

2024年12月8日 社会を明るくする運動作文発表会

 

 
  令和6年12月27日  
小城市教育長 大野 敬一郎
 

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電話番号:0952-37-6130 ファックス番号:0952-37-6167
メール:kyouikusoumu@city.ogi.lg.jp
 

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