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No.31「2025年、令和7年の上半期を振り返る」~定例教育委員会教育長報告より~【令和7年8月1日】

更新日:2025年8月 1日

小城市教育委員会では、毎月第4木曜日(特別な事由がある場合は、変更もあります)に定例会を開催しています。その会議の冒頭に教育長報告がありますが、その際に私の所感も含めて、その月の事業や状況を報告しています。
つきましては、この定例会は市民のみなさんにも公開しておりますので、ぜひ、一度ご来庁して傍聴していただき、委員会の様子等を知っていただきたいと思います。

2025年、令和7年の上半期を振り返るとともに、改めて私自身、心新たにして取り組んでいきたいと思っておりますので、この半年6回の報告書の一部、私の所感をご紹介させていただきます。

*1月(2025.1.23)教育長報告より*

2025年、令和7年、新しい年がスタートして、3週間が過ぎました。今年の執務始め式の江里口市長からの訓示で「不易流行」という言葉を示されて訓示を述べられました。それは、まちづくりにおいてこれまでも大切にしてきたこと、これからも大切にしたいこと、という内容でした。非常に共感するとともに、私も同様に大切にしていきたい「不易流行」という言葉です。本年3月に、小城市は4町が合併して市制20周年を迎えます。教育に関しても、この20年だけを見ても大きく変化してきました。そして、その時代の社会情勢や自然に関する環境も含め劇的に変化し、今後もその変化に対応する人としての生きる力が求められており、その中でも教育の果たす役割は大きいものがあると思います。改めて、永遠に変わらない本質や普遍的な価値を大切にするとともに、さまざまな状況に応じて柔軟に修正し、アレンジや創意工夫しながら、新しいものへと創造すること、その「不易流行」を意識しながら「教育で人づくり」を目指していきたいと強く感じています。
年初めに、ニューイヤー駅伝でのひらまつ病院チームの活躍、さまざまなスポーツや文化等で活躍〝する人〟を見るにつけ、国スポ・全障スポでの教訓を生かし、今後も表舞台での輝く人の後ろには、たくさんの支える人の存在があることを決して忘れずに大切にしていかなければならないと思います。また、私たち職員一人一人が『教育で人づくり』『教育は人なり』という原点に立ち戻り、力を合わせて、それぞれの組織がチームとして一丸となって「城創伝心…人づくり」に取り組み、多くの子どもや大人のみなさんを支えていき、笑顔で一歩一歩成長できる1年になることを強く願っています。

写真2025年1月10日庁舎から眺める秀峰天山写真2025年1月18日元寇750年特別講演会

(左)2025年1月10日庁舎から眺める秀峰天山(右)2025年1月18日元寇750年特別講演会

 

*2月(2025.2.20)教育長報告より*

令和6年度もいよいよ、まとめの時期を迎え、学校や園では、卒業・卒園、進級へと、新しいステージへと向かう、繋ぐ時期でもあります。私たちは、この繋ぎの時期に、「教育」における課題を整理し、その課題解決のために、新年度に移行していきたいと思っています。
さて、小城市では「家読(うちどく)」を推進しています。「家読(うちどく)」とは、「家庭読書」の略語で「家族ふれあい読書」を意味しており、「家族みんなで読書をすることで家族のコミュニケーションを深める」ことを目的にした読書運動です。
「家読(うちどく)」のやり方は、子どもを中心に家族で同じ本を読み、読んだ本の感想を話し合うということです。読む本は自由ですが、「絵本」がすすめられています。絵本ならば短時間で家族全員が読むことができ、絵の印象や物語の感想など、語り合う話題に多様性があります。また、小さなお子さんから世代を問わず家族全員で、気軽にページを開きながら、ページごとに感じたことを語り合うことができます。大人が絵本に親しむこともその人の人生を照らし合わせるなど、大切な意味を絵本は教えてくれます。
この「家読(うちどく)」運動は学校の「朝の読書」運動の家庭版として2006年(平成18年)頃に提唱され、広がっていきました。この運動推進の背景には、ゲームやインターネット、携帯電話やスマホなど、子どもたちを取り巻く情報に関する環境が著しく変化し、インターネット依存やゲーム障害など、子どもたちの心に不安定な状態が見られたり、家族との会話が少なくなってきたという現代の社会的問題も大きな一因と言えます。今こういう時だからこそ、読書という方法で和やかな家庭での環境をつくり、家族のコミュニケーションを図ることで「家族の絆」を深めることへ繋がればという願いが強くあり、引き続き推進していきたいと思います。
(写真)2025年2月10日佐賀県市町行政講演会
2025年2月10日佐賀県市町行政講演会
 

*3月(2025.3.27)教育長報告より*

3月1日は、小城市市制施行20周年記念式典が行われました。この式典を通じて、4町が合併後、これまでの小城市の20年の歩みを振り返るとともに、多くの方々のご尽力とご支援の賜物であることを改めて実感する式典となりました。未来へのバトンリレーでは、市内の小学生、中学生、今年度二十歳を迎えた若者の代表から市長へ、それぞれの「願いや思い」を明確に表明してくれました。これからも、多くのみなさんの思いや願いを大切にしながら、新たな未来に向けて力強く前進し、市民のみなさん一人一人が幸せを感じ、笑顔輝く小城市を目指して取り組んでいかなければならないと決意を新たにした一日となりました。

東日本大震災から14年経過し、昨年の能登半島地震での被災や、今年の先月末からの岩手県大船渡市の山林火災等もあり、年々、防災教育の大切さが増しており、人が安心して生活し、教育を展開できるためには、やはり多くの人の支え、支援、応援が必要なことも改めて認識するところです。

このように国内では困難な日々があり、つらい思いもありますが、今年も子どもたちが健やかに成長し、晴れやかな気持ちで卒園式、卒業式、修了式を迎えることができました。これは子どもたち自身の努力と多くの関係者のみなさんのご理解、ご協力のおかげであると、改めて、この節目の時に感謝の気持ちでいっぱいになりました。

いよいよ令和7年度のスタートを迎えるばかりになりました。今年も、この節目の時を迎え、人との別れがあり、そして新たな出会いがあります。新年度も心新たにして、人への『感謝』の心を持ち続けて、これからの数多くの課題を解決するために、今後も多くの人の力を結集し、城創伝心「人づくり」に取り組んでいきたいと思います。

(写真)2025年3月1日小城市市制施行20周年式典

2025年3月1日小城市市制施行20周年式典

 

*4月(2025.4.24)教育長報告より*

新年度に入り、4月1日には市内の小中学校の教職員赴任式を行い、新規採用の先生16名を含む、小城市に新たに赴任された41名の先生方に歓迎の話をしました。「教員の魅力とは…」これから初めて教壇に立つ方、長年教員として勤めてきた方、それぞれの思いは違うかもしれませんが、一人一人が改めて、その魅力を感じて、子どもたちと向き合ってもらいたいと願い、期待をしています。時代は、平成から令和へ変わり7年目。これからの社会は想定を超える自然災害や思いもよらぬ新型コロナウイルス感染症の発生など子どもたちや私たちを取り巻く環境や激しく複雑に変化する社会、このような社会を生きる子どもたちに、「生き抜く力」が必要となっています。
その中で、子どもたちの人生は選択の連続であり、その選択を最終的に自分で判断し決められる力を身につけてもらいたい、そのためにも、やはり「教育」の果たす役割は、非常に大きく、期待も大きいものがあります。教育委員会としても、子どもたちも、先生方も、笑顔いっぱいで、安心して成長できる学校になるように、環境づくりを進めていきたいと強く思いました。
4月9日に江里口市長が退任され、4月10日より南里新市長へと市政への舵取りのバトンが渡されました。教育委員会も新体制でスタートして、間もなく1か月が過ぎようとしています。小城市教育委員会の基本目標『城創伝心』…「人づくり」のために、これまでの経験、学習したことを生かしながら、教育委員会が一致団結して、支え合い高め合うチームで取り組んでいきたいと思います。私自身も、これまで同様に「人との出会い」や「人と人との関わり合い」を大切にして、「当事者意識・自分のこと」として考えることに心がけていき、子ども、保護者、地域のみなさんから信頼される仕事をしていきたいと心新たにしています。

『城創伝心』小城市教育の基本目標

小城の歴史と伝統を受け継ぎ 文化を創造する豊かな心を育み

後世へ伝える 人づくり

写真2025年4月20日観桜卓球大会

2025年4月20日 観桜卓球大会
 

*5月(2025.5.22)教育長報告より*

5月8日、令和7年度佐賀県小中学校校長会研修会・定期総会が、4月に新たに校長として採用された49名を含む、小中学校の全221名の校長先生方が一堂に会し、開催されました。市町教育長会連合会を代表してあいさつをする機会があり、学校における教育課題について、学力向上を柱に、不登校対策やいじめ問題、特別支援教育の充実や部活動の在り方など、数々の大きな問題・課題を抱えていることを改めて確認する機会となりました。それらの課題解決のためにも、その土台となること、私自身が特に大切にしている2つのこと、『命と人権』(誰もがみな平等に、1人の人として、尊い命と尊い人権がある)と『教育は、人なり』(教育者の前に、人として、人間として、どうあるべきか)について、話をさせていただきました。そして、付け加えて、『教員の魅力』について、「本来は、教員の仕事は、魅力があり、やりがいがあり、素晴らしい仕事であること。その教員という仕事の魅力、素晴らしさを多くの人に知ってもらいたい、教員の魅力をもっと多くの人に理解してもらいたい、そして、子どもたちが先生という仕事にあこがれを感じるような仕事に、何よりも、現場の先生たちが、やる気をもって、自分の仕事を誇りに思うようにしていきたい!」…目指す教師像であり、そのような願いを校長先生方に伝えました。
このような意味からも学校において、その舵取りをする校長先生には、重責を担っていただくことになりますが、教育委員会としても、教育の環境づくりに取り組むとともに、学校をしっかりと支えていきたいと思います。

第75回全国都市教育長協議会定期総会・研究大会
令和7年5月15日(木)~16日(金)埼玉県川越市
テーマ「豊かな学びで未来を拓く教育の在り方」
教師の「働きやすさ」と「働きがい」を!


1 『教育行財政』について
《人口減少、国際化、子どもの貧困、地域間格差など複雑に変化する社会状況の中で、不登校児童生徒や日本語指導が必要な児童生徒の増加、また、障害のある子どもたちへの対応やヤングケアラーの顕在化、LGBTQなど教育をめぐるニーズは多様化している。こうしたニーズを踏まえ、子どもたちを含め誰もが未来へ希望をもち、必要な教育を受けられるよう、既存の施設や財政等を有効活用したうえで、よりよい教育環境の整備を図っていくことが求められる。》
〇学校の適正規模化と学校再編

〇貧困家庭への支援策
〇多様化するニーズに応じたよりよい教育環境の整備教育環境の整備

〇施設の長寿命化及び複合化

 

2 『学校教育』について
《これからの学校教育においては、他者と協働して課題解決する力や学んだことから新たな価値を創造する力を育成することが求められている。そのためには、教師の資質向上・指導力向上が重要であるとともに、教師が士気高く誇りをもって子どもと向き合うことができるよう、働き方改革の更なる推進が重要である。また、児童生徒の成長を社会全体で支えるため、地域と学校が組織的・継続的に連携・協働していくことが必要である。》
〇新たな教育課題への対応
 →部活動の地域連携・地域移行、特別支援教育、いじめや不登校児童生徒等への対応
〇新しい時代の教育DXに対応することができる教職員の育成
〇学校における働き方改革に向けた取り組み

〇学校運営協議会制度の効果的な活用

 

3 『生涯学習』について
《人生100年時代を見据え、時代の変化に柔軟に対応し心豊かに生きるためには、生涯にわたって主体的に学び続けることができる環境が必要である。また、その環境や地域で保有する財産を活用して、地域における生涯学習の役割を十分に発揮する。》
〇社会教育施設における生涯学習の取組
〇地域と学校が連携・協働した活動の推進
〇生涯学習の充実に向けた環境整備
〇文化財の保存と活用

 

《参考》埼玉県川越市  人口約35万人
保育園 98園
幼稚園 22園
小学校 33校
中学校 26校
高等学校 16校
大学 4校

写真2025年5月18日体育大会(小城中学校)写真2025年5月15日第75回全国都市教育長協議会定期総会並びに研究大会(埼玉県川越市)
(左)2025年5月18日 体育大会(小城中学校) (右)2025年5月15日第75回全国都市教育長協議会定期総会並びに研究大会(埼玉県川越市)
 

*6月(2025.6.26)教育長報告より*

今月8日には九州北部地方は梅雨入りし、本市では「小城市教育の日」~「フリー参観デー」を開催しました。本年度も、各学校において、授業参観を主にして、学校評議員会・学校運営協議会、ふれあい道徳、情報モラル教室、親子ふれあい行事、人権教育講演会、コンサートなどが行われ、多くの保護者や地域の皆様が参観し、たくさんの子どもたちや地域のみなさんの笑顔を見ることができました。また、小学校では緊急時の引き渡し訓練等を実施し、これからの大雨・台風・地震等における自然災害への備えなどの危機対応について取り組みました。それと同時に、24年前の6月8日に大阪の池田小学校の児童殺傷事件が起きたことは決して風化させてはいけません。常に、学校の教育施設内、通学路の安全点検や安全教育などを通して、「学校の安全」と「命の大切さ」を改めて認識して、「命」や「人権」について、自分のこととして学び、実践していくことの大切さを、さまざまな教育活動や授業などを通じて、子どもばかりでなく、私たち大人もしっかり考える日となったものと思います。

6月11日には、参議院本会議において教員給与特別措置法(給特法)の改正法が可決、成立し、「教職調整額」(現4%)が、来年2026年から毎年1パーセントずつ、段階的に2031年には10%まで引き上げられることになりました。約50年ぶりの増額ですが、処遇改善は質の高い教員を確保するためにも歓迎されることではありますが、それと同時に、人材確保のためには教員の本質的な魅力をさらに発信する必要もあると感じています。

写真2025年6月8日小城市教育の日フリー参観(晴田小学校)

2025年6月8日 小城市教育の日 フリー参観(晴田小学校)

 

 
  令和7年8月1日  
小城市教育長 大野 敬一郎
 

問い合わせ

小城市教育委員会 教育総務課 (東館2階)
〒845-8511 佐賀県小城市三日月町長神田2312番地2
電話番号:0952-37-6130 ファックス番号:0952-37-6167
メール:kyouikusoumu@city.ogi.lg.jp
 

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